「……ヒントをあげる。1度しか言わないから。」
私は雪の降りやまない空を見つめた。
嵩広は今どんな気持ちで電話してるの?
「私は高校を出てすぐにある駅から2駅行った家にいる。まぁ、絶対分からないだろうけどね?」
私はちょっと意地悪に嵩広に言う。
でも、嵩広は携帯越しに笑ったんだ。
『ヒントがそれだけあるなら、絶対たどり着いてみせる。待ってろよ、衣乃?』
そう言って笑ったんだ。
本当ムカつく…
「来んなーっ!バカ嵩広っ!」
私はそう言いながら反面来てほしいと
思っている。
そんな自分に尚更腹が立つ。
どうして、気持ちは嘘をつけないの?