衣乃ちゃんは大きく頷いた。


「ありがとう…ありがとうっ…」


そう言って笑った。


そこに不意に鳴り響く着信音。


その携帯は俺の物でもなくて、

姉貴の物でもない。


…………嫌な気がした。


衣乃ちゃんはスマホの画面を見ると


「ごめんっ…ちょっと電話出るね…」


と言って外へ出ていった。


…どうか俺の嫌な予感が当たりませんように。


俺はもう1度、席にもどって姉貴の料理に

食らいつく。


俺の気持ちがいつか身を

結び不安を取り除いてくれますように…。