「衣乃ちゃんは居場所を失って1人で頑張ってきたんだ。だから俺は彼女を助けたいんだ……」
俺は姉貴に必死に訴えた。
すると、姉貴はクスッと笑って衣乃ちゃんに
手を差し伸べた。
「いらっしゃい、衣乃ちゃん。
狭い家だけどゆっくりしてね!」
「はいっ…!」
衣乃ちゃんは姉貴の手をとり、笑った。
すると、姉貴はクスっと笑って、
俺の背中をベシベシ叩いた。
「まさか、この馬鹿な弟に彼女ができるとは
思ってなかったけど(笑)渚の事よろしくね!」
そう言って姉貴は俺の頭をガシッと掴み、
ペコペコと上げ下げした。
くっ…くそぉっ…姉貴めーっ!
「ふふっ…渚くん。素敵なお姉さんね。」
衣乃ちゃんは笑ってた。
俺もつられて笑った。
「いっつもあーなんだよ(笑)」
でも悪い姉貴じゃない。
誰より俺の事知ってる唯一の姉。


