買ってきた飲み物が落ちた。
その瞬間、電車がガタンゴトンとやって来た。
俺はハッとして、衣乃ちゃんから離れた。
「あっ…えと…ごめん///」
「うっ…ううん///」
衣乃ちゃんはフフっと笑って俺の前を出て、扉
の開いた電車に乗り込んで俺に手を差しだす。
俺はそこから動かず下を向いた。
「俺以外の男が衣乃ちゃんの可愛さに気付いたなんてムカつく……」
「えっ……? 」
衣乃ちゃんが不思議な顔をした。
ボソッと呟いていた言葉に気づいて俺はハッと
又、顔を上げた。
「ごめん、何でもない…///」
俺は衣乃ちゃんの乗り込んだ電車に乗った。
衣乃ちゃんは少し顔を赤らめていた。
俺が変な事言ったからだろ…?


