腹が立つ…っ!
「衣乃ちゃん、何で疾風といたの!」
「えっ…?渚くん怒ってる?」
「………怒ってない。」
落ち着け俺……落ち着けくんだ。
何でこんなにイライラしてるんだよ。
「あのね、たまたま会っただけだよ。渡辺キャプテン、ここの電車乗るみたいだったから。」
……てか、衣乃ちゃん、疾風がバスケ部の
キャプテンだってことも知ってるのかよ?
「何でアイツの事知ってんの?」
「…渚くんを探しに行った時に
声かけたのが渡辺キャプテンだったから…」
俺の前には困った顔をした衣乃ちゃんがいた。
こんな顔にさせたかった訳じゃないのに…。
「ごめん…」
俺は思わず衣乃ちゃんを抱き締めた。


