「衣乃ちゃん、俺の負けだよ。」


電車の駅に2人並んで

俺はそっと衣乃ちゃんの方を向くだけ。


「えっ…?」


衣乃ちゃんは不思議そうに俺の方を向いた。

俺はその反応に耐えられず、


「衣乃ちゃん、俺ちょっと飲み物買ってくる。」


と衣乃ちゃんのそばを離れて少し離れた所に

あった自販機へと向かう。


雪がちらつき、心を柔らかくする。


俺はホットミルクティーと

ホットレモンを買ってかじかんだ手を温めた。


「衣乃ちゃん、お待たせ…………?」


俺が衣乃ちゃんの元へ戻るとそこには……