「寒いでしょ?帰ろう、衣乃ちゃん。」
俺は衣乃ちゃんに手を差し出した。
衣乃ちゃんはクスリと笑って俺の手を取った。
「渚くん、王子様みたい…」
その言葉を聞いて俺は笑った。
決して溶けない氷の心。
独りぼっちだと今の自分に絶望し、
心を閉ざしてしまう雪の国のお姫様。
俺がその凍った心を溶かしてあげられるなら…
「君だけの王子様になってあげるよ。」
結ばれなくちゃ、つまらない。
ロミオとジュリエットなんて嫌だ。
「渚くんっ……?///」
「君が思うように俺に指示すればいい。」
スリルのあるゲームみたいな感覚が欲しい。