私の幼い頃は あまり良い思い出なんてない…。 「ただいま…」 私は玄関で靴を揃えてリビングに向かった。 すると、そこにはお父さんと再婚相手の 連れ子の《来夢(ライム)》ちゃんと 新しいお母さんがいた。 「おかえり、衣乃。」 いつもならテーブルには暖かい ご飯とスープが並んでるはずだった…。 でも、今は新しいお母さんが作ってくれる。 私が最後に選んだのはお父さんだった。 無愛想で笑わない。 料理もそんなに上手じゃない。 だけどね、暖かいんだ。 お父さんの手も言葉も料理も…。