全てが全て、負けた気がした。
私にはそんな覚悟あるだろうか?
ずっと、苦しんでるのは私だけだって思ってた。
でも、楓ちゃんはそんな私の何倍も苦しんでた。
「田河さん、仲良くしましょう!」
そう言って微笑む楓ちゃんは誰よりも強い。
嵩広が何で楓ちゃんと付き合ったのか
理由が分かった気がするよ…。
「………楓ちゃん…」
「…はい?」
「私、やっぱ楓ちゃんと嵩広が
恋人だなんて絶対に認めないから!」
私は拳を楓ちゃんの目の前に突きだした。
すると、楓ちゃんは私の拳に
拳を重ねて微笑んだ。
「………はいっ!」
私はその気持ちのいい返事と共に屋上から
立ち去った。
そして、私はある人のいる場所に向かった。


