私は腹が立った。
何で?そんな軽い気持ちなの?
「楓ちゃんの嵩広への想いはその程度なのっ!」
私は思わず楓ちゃんの後ろの
フェンスを掴んでガシャンとならした。
楓ちゃんは私を見上げる形で私の方を見た。
「私…誰よりも嵩広くんが好きです。でも、だからこそ、嵩広くんが田河さんを選ぶのなら私はそれを応援しなくちゃいけない。」
まっすぐな瞳だった。
曲がった心は見えなかった。
私は思わずその目に引き込まれた。
「だから、私は今だけこの心に焼き付けてるの。
嵩広くんっていう私の大好きな人を……」
この言葉を聞いて私は頭を真っ白にした。


