7月19日。




俺のめでたくない誕生日。37にもなると、最早おめでとうより御愁傷様、といった感がある。



咲に至っては「37年間生きてきてようやく初恋って残念すぎる兄貴だわ。」とか言いやがった。



会社ではプライベートな付き合いの奴がいない為、誰にも何も言われない。


少々寂しい気もするが、ま、めんどくさいことは嫌なので良しとする。



帰りに一杯飲んで帰るかな。



出社するまではそう思っていた。



出社すると、毎朝置いてあるランチボックスの横に何やら小さな手提げの紙袋が置いてある。



不思議に思い、開けてみた。


メッセージカードが入っている。


何だろう。

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〜HAPPY BIRTHDAY〜

37歳のお誕生日おめでとうございます。


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綺麗な包装紙で包まれた箱を開けると、中には腕時計が入っていた。



これは…どう受け取ったらいいんだろう。ランチボックスと一緒に置いてあったということは、池永からのプレゼント。



彼女の座るデスクへ目を向けると、一生懸命にデータを入力している。




ー好きになってはいけない人を好きになったー




彼女は確かにそう言った。



なのになんで俺にこんなプレゼントを贈るんだ?


好きな奴に贈ればいい。