ピンポーン。

2人が半分くらい食べたところで、玄関のチャイムが鳴った。

「郵便でーす」

「何だろう。俺ほとんど手紙とか来ないし。来るのはだいたい、家賃や光熱費の督促状ばかりだ」

「ホンっト、ギリギリだねここは!!」



届けられたのは、白い封筒。送り主の名はない。だが、裏返すと、荘厳な紋様が捺されていた。

「それ……」

「アーヴィング家の家紋か」

マリアは無言でうなずいた。
ウィリアムも無言で封筒の中身を取り出した。

「読むぞ。」

『第1ステージ開戦のお知らせ

今回、遺産争奪戦の参加者は以下の5名である

アダムス・アーヴィング

エリザベス・アーヴィング

ヘレン・アーヴィング

サイモン・アーヴィング

マリアンヌ・アーヴィング

第1ステージでは、上記の5名に、暗号を解読してもらう。

見事暗号を読み、第2ステージの会場にたどり着いた者に、第2ステージの参加権利を与える。

制限時間は2日後の5/25 0:00までとし、失格者はその時点で粛清されるものとする


「何これ……。負けたらあたし、死ぬんだ……」

「落ち着け。やるからには最善を尽くすぞ」

ウィリアムはマリアの頭を撫でながら、さらに読み進める。