不器用な男のいいところ【完】





「このシャーペンに草がついてる…。




……もしかして鳴海くん、探してくれたの?」




草?


…昨日草が生えてるところで見つけたからな…。




それにしてもばれるとか…。





「まさか、俺がわざわざ探すなんて。」




わざわざ探してばれるなんて恥ずかしい…。







「あ、汐莉この前もハンカチなくして机に置いてあったよね?」






「それも鳴海くんかな?


あ、鳴海くん怪我してる!



ハンカチが見つかった日も怪我してたよね…?」







いやいや、それもばれるか…?





「そうなんだよー。




こいつ照れ屋で不器用だから人に隠れて、


しかも怪我してまで探してんだよなー。





落とし物見つけたら、必ず持ち主見つけなくちゃ、気が済まない性格なんだし。




お節介なんだよ、悠祐は。」







「ちょっ!お前何言ってんだよ!



持ち主を見つけるのは当たり前だろ!?」