「莉子ちゃん。お兄さんが相談に乗ってあげるから言ってみなさい」 「……お兄さんって理玖くん同い年でしょ」 えっへん、と腰に両手を乗せる理玖くんに冷めた一言を浴びせる私。 私のためを想って言ってくれてるって分かってるけど、余裕のない今の私には人を思いやる気力さえ湧かない。 けど、そんな私の心を見抜いているらしい理玖くんは、さっきまで京架ちゃんが座っていた前の席にそっと腰を下ろしてうつむく私の顔を覗き込んできた。 その顔は穏やかで優しい。