「ん?なに?酢?」
「……っ、いえ、あの、酢じゃなくて。その……」
そう言えば、今までは莉子ちゃんに夢中になりすぎて気づいてなかったけど、
たしかに最近、莉子ちゃんの発言というか行動がいつもと違っていたような気がする。
思えば、アレって俺に“好き”だと伝えようとしていたんだ。
俺ってかなりバカかも。
自分で告白されるチャンスを台無しにしてたなんて。
でも。
「莉子ちゃん、犬と猫どっちが好き?」
「えっと……猫?」
「じゃあ猫と俺なら?」
「えっ!?……えっと、その、先輩の方が……」
「方が?」
「す、」
「す?」
「~~っ、あ、あああああアレ!あの猫めっちゃ可愛くないですか!?」
「……プッ」
俺のこと“好き”って言おうとしてる莉子ちゃんがすごく可愛くて。
この姿をもう少し見ていたいなぁなんてかなりバカなことを考えた。


