めずらしいその表情に何事かと思って振り返ってみれば。
「えっ?先輩?」
振り返った先にいたのは、なんと今の今まで話題に出ていた久渡先輩だった。
え、先輩なんでここにいるの?
終わったらメールするって言ってたのに。
「莉子ちゃんごめん!週末、ラグビー部の助っ人することになって今日練習出なきゃいけなくなったんだ!だから一緒に帰れなくて……」
私のところにやってくるや否やパンッと両手を合わせて頭を下げた久渡先輩。
え?ちょ、ちょっと待って。
「先輩、まさかそれをわざわざ言いにここまで来てくれたんですか?」
そんなのメールで良かったのに。


