「呼び止めて悪かったな。ホラ、早く着替えて下りて来い。腹減った」 「う、うん。分かった」 なんだか釈然としなかったけど、それ以上突っ込めない空気だったからなにも言わずに二階へと駆け上がった。 「はぁ……」 自分の部屋へ入り、ポスンとベッドに倒れ込む。 “お前、久渡のこと好きだよな?” お兄ちゃんの言葉が頭によぎって、ふぅ、とため息がこぼれ落ちた。