「莉子ちゃん、好き。大好き」 後ろからそっと抱きしめて、莉子ちゃんの心に届くように心を込めてそうささやく。 ……俺さ、本当に莉子ちゃんのことが好きなんだよ? だからさ。 「莉子ちゃんは俺のこと、好き?」 一回だけでいいから、“好き”って言ってよ。 「……っ、は、はいっ」 ──お願い、だから。 「……そっか」 莉子ちゃんの“言葉”が聞きたいんだ。