「莉子ちゃん、こっち向いて?」
「む、無理です!」
「なんで?莉子ちゃんの可愛い顔見たい」
「可愛くなんか……」
「可愛い。むちゃくちゃ可愛い」
「……っ」
──今、俺の膝の上で一緒にブランコに乗っているのは、俺の可愛い彼女、朝倉 莉子ちゃん。
色素の薄いふわっふわの髪の毛に、少しタレ目がちな真ん丸の大きな瞳。
俺の胸元に届くか届かないかっていうぐらい小柄な彼女は、動物に例えるとひ弱なうさぎで。
最初見た時、和佐と正反対すぎて笑ってしまった。
それと同時に、親友である和佐がかたくなに隠したがる理由が分かった気がした。