顔を上げればクラスメイトから痛いほど視線が向けられていて、もう、今すぐ穴を掘って入りたくなった。 私は先輩と違って目立つのに慣れてないんだからー! 「京架(キョウカ)ちゃん、莉子ちゃん頂いてくね?」 「へ?ひゃぁぁぁ!」 先輩の温もりが消えたかと思えばその直後、私を襲ったのは浮遊感。 「ど-ぞど-ぞ。ハイ、莉子のカバン」 「ありがとー」 「ちょ、先輩下ろし──」 「だーめ。下ろさない」