うなだれながらもうダメだ、と頭をかかえれば。 『ぶはっ。莉子ちゃんおもしろすぎるっ』 頭上から落ちてきたのは先輩の笑い声。 この時初めて先輩に殺意を覚えたけれど、その後先輩の口から出てきた一言にその殺意は一瞬にして消えてしまった。 『ねぇ、莉子ちゃん、俺が数学教えてあげよっか』 これが久渡先輩との始まり。 私の心が先輩に向き始めたキッカケだった。