「莉子ちゃん、そんな顔されたら離したくなくなっちゃうんだけど?」
「っ」
先輩が目と鼻の先でそんなことを言うものだから余計に顔が熱くなって。
逃げるようにうつむけば、
「なんでうつむくの?せっかく近くにいるのに」
クイッと顎を上げられて、そっとまぶたにキスされた。
ビックリしすぎた私は放心状態。
驚きの声さえ上げられなくて。
先輩の顔が真正面にきたときになってようやく今の状況を把握することができた。
「………」
すぐ目の前にある先輩の双眸。
綺麗な瞳には真っ赤な顔をして固まっている私が映っていて、
今すぐ目を逸らしたいのに顎を固定されててそれが出来ない。


