「莉子ちゃん、目開けて」 「………へ?」 先輩のその言葉にそっと目を開ければ、目の前に先輩の顔があって。 「せ、せんぱ――」 あわてて離れようとしたけど、阻止されてしまった。 「……っ」 後頭部をおおう、先輩の大きな手。 その温もりを感じたのとほぼ同時に左頬にも温もりが落ちてきて。 「ごちそうさま」 ペロッと舌を出した先輩に、頬がカァと熱くなった。