「先輩。私が好きなのは先輩……ですよ？」
「……っ、」
「久渡先輩しか、好きじゃないです」
「………」
「信じ───」
「うん。信じる」
私の言葉をさえぎった先輩は、私の体を痛いぐらい抱きしめてそのままひょいっと抱き上げた。
「せせせせ先輩！？」
まさか抱き上げられるとは思わなくて、軽くパニックになる私。
そんな私にお構いなしにクルクル回る先輩はすごく楽しそうで。
「莉子ちゃん、俺も好き。超好き！」
いつものキラキラの笑顔でそう言ってくれた。
「～～～っ」
「あはははは。俺を妬かせたお返し」
そのまぶしい笑顔に真っ赤になってしまったのは言うまでもない。
