先輩以外の人にって……。 「あ!理玖くん!」 本当に今さらだけど、先輩が来る前まで理玖くんと告白の練習をしてたんだった! こんなとこ見られてたら、恥ずかしくてもう顔合わせられないよ! 両頬を包まれたまま先輩の後方へと目を向ければ、いると思っていた理玖くんの姿はどこにもなくて。 「あれ?」 いつの間にいなくなったんだろう。 「あの子なら俺が来てすぐ出て行ったよ」 「えっ、先輩が来てすぐ?」 そうなんだ。気付かなかった。 って。 「先輩?」 なんでそんなにふてくされた顔してるの?