入学式に話しかけられてから、私の姿を見かけるたび話しかけてくれるようになった久渡先輩。 隣にはいつも数人の女の人たちがいたけれど、そんなことおかまいなしに話しかけてくれた。 けど、おにいちゃんから『手を出さないように』と念を押されてるせいか、周りにいる女の人たちみたいに触れては来ない。 簡単に言えば、先輩と私は兄と妹のような関係だった。 『……莉子ちゃん?どうしたの?』 その関係が崩れたのは、高校になって初めてのテストのとき。