もうひとつのセカイ

「な、ちょっ…」

真っ暗闇の中をただひたすらに走って1つの

マンションの前で足を止めた。

その人はそのまま扉を開ける。

「たっだいまー!」

ドタドタ…

「ナリ!何処いってたのよ!!…って、その子誰?」

茶髪のショートカットの女の子がその人と私

を交互に見る。

「あぁ、この子は…」

そう言ってその人は私を見た。

私もその人と茶髪の女の子を見る。

「…え、あ…。」




2人とも目が蒼かった。




「ねぇ、名前は?」

女の子が笑ながら聞く。

「え、と…り、莉緒…渡瀬 莉緒…。」

すると私の手を掴んでいた人が手を離して

「俺はね、成矢。関 成矢。なりってよんで!」

「私は鈴影 美里。みりでいいよ?」

茶髪の女の子が言った。