あ、もしかして───
わたしは階段の上で、足を止めた。
上ってきていた浅倉くんはわたしに気づいてか、途中で立ち止まる。
そしてわたしを、見上げた。
よっぽどハードな練習をしているのだろうか。
浅倉くんの額からは汗が伝っていた。
「あ、えーと…赤城さん?こんにちは。」
浅倉くんは微笑むと、また階段を上ってきた。
「こんにちは、浅倉くん。突然で悪いんだけど……右足、ケガしてるよね?手当てしなくていいの?」
わたしは微笑み返しながら浅倉くんの右足を指差した。
───が、浅倉くんは驚いたように目を見開き、そして突然……
わたしの肩に腕を回して、顔をグイッと寄せてきた。
「───!?」
一瞬のことに頭がついていかない。


