面と向かって言えないくらいには好き。





「おい、赤城!次だぞー」



先輩の声にとっさに振り向く。



「あ、はい!」



「いってらっしゃーい」



わたしが行こうとすると、かなちゃんが可愛く手を振っていた。



だからわたしも、笑顔で手を振り返した。



「ん、いってきまーす」






────……




走り終わると、近くにいた先輩に呼び止められた。



「赤城さん、わるいんだけど部室からストップウォッチ持ってきてもらえる?これ壊れちゃって……」



先輩が見せたのは、数字が表示されていないストップウォッチだった。



わたしはそれを受け取りながら、先輩に笑顔を向ける。


生憎、自分の可愛さは知ってるんだよね。




「わかりました!」




わたしは軽く走りながら、部室を目指した。