「はいはい、悪あがきはよしなさい。」
浅倉くんは楽しそうに頬を緩めながら、わたしの頭をポンポン、と叩いた。
…うっわぁ……不意打ちはまずいって──
「あれ、なんか顔赤くない?」
───え、
わたしはそんなの知らなくて、思わず、顔を上げる。
すると、浅倉くんと目が合って……
まだ、頭に手が乗っていることに気づいた。
いい加減に降ろせよ。
───ちょうどそのとき、電車がホームに入ってきた。
わたしが乗るやつだ。
浅倉くんも乗るのかな。
「あっ───…!」
浅倉くんは手を置いていることに気づいたのか、パッと手をひっこめた。
少し顔が赤く見えるのは気のせいかな。
あ、でもわたしも顔赤いんだっけ?
そう考えたら、一気に顔が熱くなった。
自分でもわかるくらいに。


