「よかった。じゃあ頑張ってねー」
わたしはストップウォッチを代えなきゃなんないし。
「おー。…あ、そだ。」
浅倉くんはドアを開けようとして、不意に手を止めた。
そして、振り向き様に、くしゃっとした笑顔を見せる。
「──ありがとな、」
じゃあ頑張ってくるー、と軽く笑いながら駆けていった背中を、わたしはただ見つめるしかできなかった。
心臓がバクバクいっている。
破裂しそうで、自分でもわかるくらいに顔は熱い。
いや、今のは……
「ヤバいって……」
部室には規則的な秒針の音と、外から聞こえる部活の声が響いていた。


