秘密のブライド

「確か､いましたよね？ちょうど頃合いの女の子が…」


「あ､あぁ｡確かいたはずだが…」




お前がそれを言うのか､とは口に出来なかった｡

というよりも声にならなかったといったほうが正しいかもしれない｡


それでも顔には出ていたのだろう｡


言葉を濁した晴信に､ミツはくすくすと小さく控えめな笑い声を上げた｡

そんなミツに晴信はムッと顔をしかめる｡


その顔が更にお気に召したらしいミツ｡

笑みは深まるばかりだ｡




「わ､笑うな!」


「ふふふ｡だって晴信様､子どもみたいに拗ねるんですもの」