どこまでも暖かい日溜まりのように。

どこまでも大地を照らすあの太陽のように。


彼女はどこまでも優しい微笑みにその瞳を細めた。




「そうだな…いい国を作ろう」




その微笑みに後押しされるように、晴信もその顔に笑みを浮かべる。


どこか晴れ晴れとしたような、武田の旗が似合う笑みを。



後に甲斐の虎として恐れられる男の、若かりしある晴れた日のこと。


その隣でそんな彼の姿に満足そうに幸せそうに微笑んだ彼女を知るのは、ただ信玄一人である。






秘密のブライド
(それはどこまでも暖かく)
(美しい武田の秘密)