「どうぞこれからよろしくお願い致します」 宴も終わった夜。 二人きりの部屋にはにこにこと穏やかに微笑む彼女の姿があった。 あまりにも自然なその姿に、もう少し畏まった態度をとられるものと思っていた晴信は拍子抜けする。 どうやらその予想は大いにハズレだったらしい。 昼間のような煌びやかな姿でないが、それでもどこか光差す美しさが彼女にはあった。 「あ、あぁ…よろしく頼む」 落ち着いた笑みを浮かべている彼女とは対照的に、幾分落ち着かない様子の晴信。 そんな晴信に彼女はクスクスと笑みを深める。