「えっ?」 「は?」 あ、やべ。声に出てた。 「めんどくさいって…どういうこと?」 「あ、いや、なんでもないよ。大丈夫」 ニコリと王子スマイルをすれば、女はそんなことどうでもよくなったらしく、頬を赤くした。 このまま言えばいい。 「えっと、ごめん。彼女とは別れる気無いから…」 崩れそうになる笑顔で耐えたまま、女の反応を待つ。 「そっか…じゃあ私、」 愛人でもいいよ。 女はそう言った。