約1年ぶりの再会に、思わず盛り上がる。
もう少し話がしたいね、と私たちは近くのファーストフード店に入ることにした。
「はぁ、そんなことがー、なつかしー」

午後7時半、いくら暗いとは言っても、ファーストフード店の中は混雑していた。
思い出話から近況報告、ひとしきり話した後、私はふと朱鳥の右の中指にはまる小さな指輪に眼を止めた。
「あれ、朱鳥。その指輪は彼氏から?」

からかい口調で尋ねると
朱鳥はちょっと笑って、首を振った。

「やだ、違うよ。…んーこれはねー」

「なによ、気になるじゃない。」