【短編】そんな、ある冬の帰り道。






いつも、そうだ。



池田はいつも、真っ直ぐで、純粋で。



そのまんまのあたしが好きだと言ってくれたときも、いつも。




それに比べて、あたしは。



あたしは、一度でも池田を真っ直ぐに見つめたことがあっただろうか。



池田はあたしとは釣り合わないとか、別れが怖いから付き合わないとか。



そんなくだらないことばかり考えては、目をそらして。




強がって、怖がって、傷ついて、傷つけて。



何をしているんだろう、あたしは。