そして、俺らの間に流れていた沈黙を切ったのは紛れもなく俺だった。 「何も知らずにごめん。そんなことがあったんだな。」 俺の口から出たのはそんな言葉だった。 「なんで…謝るの?憐は何も悪くないのに。あたしが一方的に話しただけなのに。」 そう言って訴えてくる杏の目は先ほどみたいにうっすらと涙が浮かんでいた。 そんな姿を見た俺は思わず小さい子をなだめるように杏の頭を撫でた。 「話すのも、思い出すのも辛かっただろ。」 それしか今の俺には言えなかった。