そしてあいつらと話している篠山に向かって俺は一言呟くように言った。 「髪…」 華蝶の11代目総長と言えば腰まである金髪 そう周りには知れ渡っている。 そして、人並みならぬ美貌。 なのに、目の前に居て舞蝶だと名乗る篠山は黒髪だ。 違和感の正体のひとつはこれだと、断言したのは、篠山が髪に触れた一瞬だった。 黒髪に混じって見える金髪。 思わず俺は声に出していた。 「それ、地毛じゃないだろ。」