あんな杏を見たのは久々だ。


あの姿は皆が思ってるような舞蝶をイメージする者ではない。


長年一緒にいるあたしでもあの姿を見るのは数回。


いつになっても慣れることはなくて、あたしの背筋をも凍らせてくる。


杏は相手に解散宣言をさすと幹部室へと姿を消した。


あたし達は誰一人としてしばらくその場を動くことが出来なかった。