輝への初メール。


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今日の後夜祭、輝と一緒に行ってもいい?
(・ω・`)ゞ

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送信。


輝、返事くれるかな?


机の中でぎゅっと携帯を握りしめて、いつ来るかは分からない返信をドキドキしながら待つこと5分。


SHRでは先生が今日の反省点や労いの言葉を並べているけど、そんなのは耳を素通りしていく。



手の中の携帯が震えた。輝からの返信だ、と気付いたあたしはすぐに机から携帯を出してメールを開いてそれを読んだ。


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後夜祭でも演奏しなきゃなんねーから一緒には遊べない
けど、ステージの袖に来て

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絵文字も顔文字も句読点も使わない、素っ気ないメール。


だけど、冷たい訳じゃない。


それだけのメールに心がほわりと温かくなるのを感じて、弛んだ頬を隠すために、あたしは視線を窓の外の景色に逃がして、弛んだ顔を引き締めた。