やっと気付いてくれた。

ドキっとするほど優しい顔をしているな。

付き合えないかな。

あんなに素敵な女性と僕なんかじゃ釣り合わないかもしれないけど、こんなに惚れたのは初めてかもしれない。


後ろに男がいる。


しかもずっと彼女をみてるような気がする。


あれはみとれてる類のものじゃない。


凶器のように尖った目。

あれはきっと殺意のある目だ。


いや違う…


きっと違う…

勘違いであってほしい。
でもそうはいかなかった。


車のライトでキラっと光ったもの。



!!!
……あれはナイフだ。


逃げるんだ。

早く!

声がでない。


肝心な時に…

びびるな!

声を…声を…



「…逃げろ!!」

やっと出た。

でも少し遅かった。

男は彼女めがけてナイフを振りかぶった。



「やめろ!」