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こっちゃんが好きになったのは、隣のクラスにいる、かわいい女の子だった。


こっちゃん曰く一目見た瞬間にビビっときて、その瞬間に恋に落ちたのだという。


「かわいいな~。
今日もかわいいよ~、新田さん。」



私の報われない恋心に
こっちゃんの生まれたての恋


2つの恋のおかげで、私とこっちゃんは性別を超えた不思議な深い団結力を見せ始め、学校にいる時も、部活にいる時も、二人で話す時間がとても増えたように思う。



あっちゃんと見た夕焼け空の日から時は過ぎ。あっちゃん達3年生は引退をして1,2年生が主体となってヨット部は活動を再スタートさせていた。



気づけば、もう12月が来ようとしていて。


当然海での練習はできなくて、屋内で筋トレをしたり、運動場で走り込みをしたり……とヨット部らしからぬ練習に汗を流していた、ある日。


家に帰ると引退したはずのあっちゃんが我が家のリビングで思いっきりくつろいでいた。


――わっ!あっちゃん、久しぶりに見た…!!


ドキドキしながら


「あっちゃん!来てたの。」

「おう!ひっさしぶりだな、ナギ。」

「うん、久しぶりだから会えて嬉しい。元気だった?あっちゃん。」


大好きなカレに声をかけると、彼はクシャっと笑って


「おう!元気、元気!!
嬉しいこと言ってくれてありがとな。俺も久しぶりにナギに会えてうれしいよ。」


そう言って、私の頭をポンポンと叩いたのだった。