「うっわ~~!!!!あたし水族館来たの初めて~!!!」



そう、俺たちは水族館に来た。

たしか、澪は水族館に行ったことがなかったからな。

俺は楽しみすぎて、今日が来るのが待ち遠しかった。

でも今朝、澪にデートの練習と言われたときは結構ショックだったな。

確かに練習だけどよぉ、俺は普通のデートだと思ってたんだ。

しかも普段と同じ格好だし。

まぁ、澪は何着ても似合うけどな。

いつも2人で買い物とか行ったりするけど、デートって言って遊んだことはない。



「どうだ?いいだろ?俺のデートセンス」



俺がそう言うと澪はクルリと回って俺を見た。



「恐れ入りました、玲次様!!キャー!サメがいる~!!!」



そう言ってサメがいる方へ走って行った。

サ、サメ…。

意外なものに興味持ってるな。

サメの水槽の前で目を輝かせている澪を見て、急に胸が苦しくなった。

こういう顔を俺以外の前でも見せるようになるのかな。

高岡の前でしか、見せない顔もたくさん出てくるんだろうな。

そう思ったら、寂しくなった。