まあ、さすがのワタシもね、
一瞬、こおりついた。

でもつぎの瞬間、
こう思ってた。

最悪、どうなる?

①レイプされる
②殺される



レイプはさ、クソタツでもう経験したけど、
なんていうの、免疫ができたんだよ。

クソタツってのは、お母さんの男。
タツジっていうけど、ワタシは心の中で
クソタツと呼ぶ。

お母さんの留守んとき来てさ、
やられちゃったんだ。

抵抗したけどさ、
途中でどうでもよくなった。
お母さんへの復讐みたいな気持ちもあった。


で、殺される、だけど、
考えてみりゃ、べつに生きてる意味もないし。

久保新治がいるわけでもない。
悲しんでくれるヒトもいない。




それでワタシ、ヤクザの目を見たんだ。

おびえるでもなく、にらむでもなく、
そのときの気持ちそのままで、相手の目の奥を見たんだ。

そしたら、ヤクザのほうもワタシの目の奥を見た。
タバコに火をつけてさ、
シャワーあびて来い、だって。

あとは、ふつうのSEX。


帰るとき、3万円と名刺くれた。
なんかあったら電話しろって。

肩書き?

若頭補佐。
わかがしら・ほさ、って読むんだ。