だからもう、終わりにしよう?





「先輩、別れてください。」





久方振りに逢った彼女がいきなりそう話を切り出したことに先輩はポカンとした。



バスケ部を引退した先輩は受験勉強に専念。そしてあたしはバスケ部のマネと言うこともあり、中々逢えない日々が続いていた。



それは仕方のない事だけど、あたしは知っている。先輩が毎日あの綿飴先輩と帰宅していることを。それとなく先輩に聞いて見ると、慌てた様子で予備校友達と言われた。本当にそうなのかはともあれ其の時―――――クロだと思った。


先輩が“友達”を見るあの目を、いまだに忘れられない。





「栞菜?いきなりどうしたんだ?」




栞菜。それはあたしの名前。



ついこの間まで名前を呼ばれることにすら一喜一憂していたのに今は名前を呼ばれることすら辛い。綿飴先輩の名前をあたし以上に優しい声色で囁いているのかと思うと、
もう、限界です。