「泣き顔とかそそる。」
「変態…ドS…痴漢…」
「俺、ドSじゃないし。栞菜先輩限定で優しいよ。」
「嘘つき。涼馬はSだよ、だっていっぱい虐めてくるもん…。」
「愛情だよ。」
クスッと微笑する涼馬。
あたしの方が嘘つきかも。
涼馬は充分優しいよ。
「…あたし、涼馬のこと弟としか見れないよ?」
「知ってる。先輩と後輩なんてそんなもんだよ。だけど、いずれは弟なんて言わせないから大丈夫。…その余裕、奪って上げるから。」
ぴょん!と外側に跳ねる寝癖を手櫛で整えていた涼馬の手は、頬に触れた。これまでずっと弟だった涼馬は“男”の目をしていて、逸らすことが出来ず、黒い瞳に吸い込まれそうになる。
「ずっと可愛く在りたいって思わせるくらい、惚れさせてあげる。」
口角を上げる涼馬から目が逸らせず、唇を噛み締めた。
涼馬の触れた頬に熱が帯びる。

