すーっと何かが引いていくような感覚と、 頭の中で何度も反響する聞いたばかりの言葉。 私、今、立ってる? 固まったままの私に、佐田先生はさらに畳みかけてくる。 「知っててお前を家に連れ込んでたんだよ、あいつは。お前に変なバカみたいな話持ちかけて」 あぁ、この人は本当に全部知ってるんだな。 「バレれば職失うのにだぞ?どんだけ職に就くのが大変か分かっててだぞ?そこまでしてあいつはお前を気にかけて・・・」 怒鳴られてるわけではない。