不機嫌な相馬くんに手を引かれて連れて行かれたのはステージを上がった脇、舞台幕のすぐ傍。


「なんでクリスマス、皆で過ごす事になってんの?」

「相馬くん、」

「ももとクリスマス過ごすのは俺だろ?」


壁に荒々しく右手を付いた相馬くんが鋭い目付きで私を見下ろす。


「わ、私と一緒にクリスマス過ごしてくれるの?」

「……は?」

「だって……」


──クリスマス一緒に過ごす事、今初めて言われたんだもん。


そう小さく零すと、数秒間を置いた後頭上から「はぁ…」と深い溜め息が落ちてきた。


「ごめん。誘ったものだとばかり思ってた」

「相馬く……」

「俺、一人で舞い上がってたのかよ。格好悪ぃ」

「……っ」