甘くて可愛い彼のヤキモチ 【短編.完】

「あの無愛想な王子が“攫っていく”、ねぇ。想像出来ない」


……確かに。

舞ちゃんの視線の先には仏頂面で友達と喋っている相馬くんがいて。

二人っきりの時の相馬くんとは全然違うから少し戸惑う。


「アレが俗に言うギャップ萌えってやつ?」


ギャ、ギャップ萌え?


「まぁ、そのギャップに萌えられるのはももだけなんだけど」


私も一回ぐらい拝みたいわー。

なんて言っている舞ちゃんは相馬くんを冷めた目でガン見。

そのせいで仏頂面の相馬くんが私達の視線に気付き、此方を見た。

けど。


「私は眼中無しか!」


相馬くんの視線はガン見していた舞ちゃんではなく私の方へ。

相馬くん……

微かに緩んだ口元は私の見間違いなんかじゃない筈。